KIHO OGASAWARA小笠原 希帆

新卒入社FREADAディレクター

Q.2017年に、ご自身のブランド「Freada」を立ち上げられたきっかけについて教えてください。

A.「ネクストステップへの不安と、お姉さんになったスタッフやお客様が着たいと思えるブランドが欲しいという思いが重なって立ち上げました」

長年プレスの仕事をしていくうちに、気がつけば雑誌のスナップでも同業のなかで私が最高齢になっていて、この先どうしようと考えることが多くなったんです。他社を見渡しても、結婚して、子供を産んで辞めるという方が多い。もちろん、大きいチームがあれば、課長などの役職についてキャリアアップしていくということもありますが、当時のデイトナはそんな規模でもなく、そのなかで私が初代プレスとして一人でやっていたので、これからどうなっていくんだろうと漠然とした不安を抱いていました。そんな時に当時の商品部MDだった同期が、「何か自分でブランドを始めたら?」と背中を押してくれて、「やりたい!」と思ったのがきっかけです。
あと、FREAK’S STOREのオリジナルは若い子向けのデザインのものが多くて、年齢を重ねていくと社員販売で買いたいものが減っていくという声が社内の女性スタッフから上がるようになっていて。他社だといくつかラインがあるのですが、うちは一事業部しかなかったので、ハウスブランドがあったらいいのにって。どうせやるなら、もともとのルーツである古着の血が濃いブランドがいいねとなった時に、社内で一番古着を着ていて、プレスをやっていた私がいいのではと声をかけていただいた経緯があります。実際にお客様も年齢が上がるにつれてFREAK’S STOREを卒業して、他のブランドに流れてしまうという状況があったので、そこに向けて改めてすくい直すような目的もありました。

Q.プレスの時とは異なる大変さはどういうところで感じましたか?

A.「自分が生み出す商品に対して、自信を持つということに最初は戸惑いました」

自分が0→1で生み出すという立場になって、本当にこれで良いのか、売れるのかなんていう不安がいつもありました。でも、そんなことをずっと考えてたって何も作れないんだから、とにかく「売れる」とか「超可愛い」と自分自身を励ましながらやるしかないなと。あと、プレス時代にお世話になったスタイリストや編集者がとかが展示会に来てくれたとき、最初の頃は自信がなくて、「全然買わなくていいよ」なんて言っていたのですが、来てくれる人たちは「Freada」を見に来てくれてるんだから、私がおすすめしないのは失礼ということに気がつきました。それからは一層自分のマインドをチューニングして、自信をもって全力でおすすめするようにしています。

Q.プレス時代に意識して行動したことはありますか?

A.「流行っている場所は自分で足を運ぶことと、なんでもすぐにやること」

展示や舞台、映画など常に流行りのものがあって、そういう場所にスタイリストや編集者は絶対に行っている。その話になった時に行っていないとなると、少し残念な顔をされるんですよね。だから、仕事でもプライベートでもいろんなところに足を運ぶようにしています。また、電話にはすぐに出る。スタイリストは忙しいスケジュールの合間で次の撮影のリサーチとかをしているので、「こういうアイテムある?」って聞きたいのに、電話が繋がらなくて1時間後に折り返すというのは意味がない。だから、電話は必ず出るし、出れなかったらすぐに折り返す。すぐに調べてメールもすぐに返す。分かんなければ分からないと返事をすることも大切で、それが安心や信頼につながるので、なんでもすぐにやるというのは当時からずっと大切にしています。

Q.小笠原さんがお客様と直接コミュニケーションをとることで感じる発見などはありますか?

A.「お客様からの生の声が聞けるので、商品やPOP作りへの気づきになる」

いつも思っているのは、お店が一番大事ということ。お客様とコミュニケーションをとることで、「ポケットないんですね」とか「ワンピースが前びらきで嬉しい」とか、たくさんの生の声が返ってきます。デザインとして削った部分が、実はかなり需要があったり、前びらきのデザインが意図せずも、授乳期のママさんにとって役に立ったり。また、店舗の導線などから、POP作りなどの気づきにも繋がっています。

Q.今後の目標を教えてください。

A.「FREAK’S STOREを知らない人にも「Freada」を着てもらいたい」

最終的には「Freada」って、FREAK’S STOREの会社がやってるんだって思ってもらえるようになることが夢です。要はFREAK’S STOREが「Freada」を仕入れているような見え方になりたくて。今はまだポップアップしかやったことがないので、卸しにも手を伸ばしていきたい。そのためにももっとチームを大きくしていきたいですね。